2024年2月19日【適時に適切な会計帳簿を作成する】ことの重要性について
今日の福岡はかなり強い雨が降りました。
ただ、そのような雨であっても
弊所においてはリモート勤務ですので、
常に快適な環境を選択して
業務につくことができます。
スタッフも柔軟に仕事をしてくれており、
なんともありがたいことだなと
思ってなりません。
さて、本題です。
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■弊所においては基本的に、
顧問のお客様と
【3ヶ月一度のペースでご面談】
をさせていただくのですが、
最終的なご面談は
【決算の対策に続き、税額の報告や
最終的な擦り合わせのための面談】
となります。
その中で往々にして聞かれるのが、
【実際の利益の数字と、手元に残っている
現金の感覚が大きく違っている】
ということなんですね。
今日はそんなことからお話を続けて
いきたいと思います。
■『勘定合って銭足らず』であったり、
『黒字倒産』ということを
聞いたことがあるのではないでしょうか。
<Wikipediaより>
-黒字倒産-
これこそまさに、
【利益と現金の残高は一致していない】
ということを端的に表していると
私は感じており、
【会計上の数字と実際の手元に残っている
現金は違うのが当然】
ということを念頭に置いておいた方が
良いでしょう。
■とは言え、
全てが現金商売で、売掛金や買掛金がなく、
クレジットカードなども使用していない
場合などを考えると、
【利益=手元に残る現金】
ということもなくはないです。
しかしながら、そのような
状況はごく僅かで、通常の場合は
【利益と手元に残っている
現金に相違がある】
ということは理解しておいた方が
良いでしょう。
■法人の財務状態を表すものとして、
『貸借対照表』と『損益計算書』があります。
『損益計算書』はその期単体の経営成績
を表しているもので、
【単年度の動きの結果】
なんですね。
これに対して『貸借対照表』は、
【会社の設立時から現在までの
財産の状況を表現している帳票】
になります。
要は、損益計算書を見れば単年度での
売上や利益が一目でわかるのですが、
【この損益計算書などの実績が積み重なって
貸借対照表が成り立っている】
ということになるわけですね。
■そして、利益と残っている現金が
一致しないということに関しては、
会計のルールにおいて
【収益(収入)や経費(支出)が
実際のものと一致していない】
ということになるからに他なりません。
■例えば、商品やサービスの納品などが
完了して売上高が確定したにもかかわらず、
【その入金は2ヶ月後である】
場合は、売上高という収益は上がるものの、
『売掛金』という金銭の債権が増えて、
【現金が増えていない】
ということになります。
逆に商品の仕入などをした際に、
実際にその仕入商品が届いたものの、
その代金の支払は1ヶ月後ということも
考えられるでしょう。
そうなると、仕入高という経費が
上がる一方、買掛金という
金銭の債務が同時に上がることになり、
これはすなわち、
【現金は減っていない】
ということを意味するわけです。
■上述した例でいくと、
売上の実際の入金は2ヶ月後、そして仕入の
支払は1ヶ月後であるわけですので、
金額のことを考えなかったとしても、
【これだけで1ヶ月分のタイムラグがある】
ということがわかるでしょう。
そうなると、入金に先行して支払が
出てしまうわけですので、
【経営の資金繰りとしては厳しいもの】
となり、たとえ売上が上がって利益が
上がっているとしても、
【実際の現金はそこまで残っていない
(増えていない)】
ということになるわけです。
■そして、
『減価償却費』についても、
【実際の現金の支出はないものの、
経費として計上されてしまう】
という性質のものになります。
実際の会計の動きと現金の動きが
一致していないことから、こういった
【利益と現金の不一致】
が見られるということなんですね。
そして、経営においては
『現金は血液』とも言える存在ですので、
【現金の動きを潤沢にしておかない
ことには、経営は疲弊してしまう結果】
となりかねません。
■そのように考えた際、
数字上の利益というよりはむしろ、
【実際の現金の流れを潤滑にさせることが
経営においては極めて重要である】
と言えるでしょう。
そのように考えるとしっかりと
【現金の流れを分析しておく】
必要があるというものです。
■上述したように、損益計算書では
実際の現金の動きは見えず、
【現金の動きの本質は貸借対照表にある】
と言えます。
当然、損益計算書は詳細の確認をするために
必要ではあるものの、
前期と当期の貸借対照表の中の
勘定科目の増減を見れば、
【その現金の増減の原因がどこにあるか
というのがよくわかる】
というところ。
■そして、この現金の状況を的確に
表現しようとするためには、
【適時に、適正な会計帳簿を
作成する必要がある】
というもの。
どんなに素晴らしい経営分析を
しようとしたとしても、
その基となる材料である会計帳簿が
粗末なものとなれば、
【そこから見える数字も決して
良いものとは言えなくなる】
というものです。
■上述したように、何よりも大切なのは、
【現金を潤沢にしておくこと】
であると言えます。
そのような前提に立った際、
当然に適切な会計帳簿を作成する必要が
あるわけですし、
適時にその財務状況を分析し、
【どこが原因で現金が
少なくなっているのか】
などということを考察する必要も
あることでしょう。
そのようなことを通じて、
経営について正確な分析をして、
経営の次なる一手を模索
してみてはいかがでしょうか。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・経営においては、
【実際の利益の数字と手元に
残っている現金の額は異なる】
というのが通常である。
・その主な原因としては、
売掛金や買掛金など、
実際に収益や経費が上がっている
にもかかわらず、
【現金が増減していない項目にある】
というところ。
減価償却費もその要素として考えられる。
・現金は、
【経営においての血液】
とも言える存在で、この現金を潤沢にして
おかないことには
【経営は疲弊してしまう】
ものと考えられる。
・したがって、現金の動きを適時適切に
見渡すためにも、
【正確な会計帳簿を作成し、
分析材料を適切なものにする】
ことにより、正確な経営分析をし、
そこから見える経営の未来に向かって、
適切な経営判断をすることを心掛けたい
ものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。