2024年8月14日簡易課税の選択は【諸刃の剣】
今日は糸島方面へ、家族と共に新たな体験を
しに出かけてまいります。
昨日はかなり早朝から活動をして、体のリズム
が崩れてしまい、夜も眠くなくなってしまった
ため、
以前から気になっていた『地面師たち』を視聴。
https://www.netflix.com/title/81574118
これを観てさらに眠れなくなりました・・
さて、本題です。
------------------
■経営を見つめた際、業種によっては
売上高が大きく変動するものも
あるのではないでしょうか。
特に、大きな商品を販売して短期的な
利益を得るような業種においては、
その事業年度ごとの売上高が
大きく変わってくるということが
むしろ普通かもしれません。
そのような中で注意すべきが、
『消費税の計算』についてのことなんですね。
■消費税の計算方法には
原則課税と簡易課税があるのですが、
簡易課税については、
前々事業年度の課税売上高(消費税の対象
となる売上高で、住宅の貸付などの
非課税売上は含まれません。)が、
5千万円以下である場合に初めて、
この簡易課税制度の選択を
することができます。
■この簡易課税制度を使うには、
税務署に前もっての届出が必要で、
消費税簡易課税制度選択届出書を
税務署に提出することにより初めて、
簡易課税制度を使うことができる
ということに。
<国税庁HPより->
消費税簡易課税制度選択届出手続
逆に言えば、この簡易課税制度選択届出書が
出ている事業年度に関しては、
すべて簡易課税制度により計算すること
になるんですね。
■ただし、
基準期間(前々事業年度を指すことが
一般的です)の課税売上高が
5千万円超となっている事業年度については、
簡易課税を使える要件にあたりませんので、
その年度は原則課税により計算することに。
そこで注意すべきがこの上述したような
『売上高の変動が見られる場合』なんですね。
■というのも、
この基準期間における課税売上高が
5千万円超であったり5千万円以下で
あったり
という事業年度が見受けられると、
その都度簡易課税制度により計算できるか
どうかが変わってくるわけなんですよね。
■そのように考えると、
仮に基準期間における課税売上高が
5千万円超でその年度は原則課税に
なったものの、
その次の年度には、そのまた基準期間に
おける課税売上高が5千万円以下であること
によって、
簡易課税に戻るということも想定される
わけです。
■しかしながら、
その年度において簡易課税制度により
計算することが不利になっていたら
どうでしょう。
そうなると、簡易課税制度を取り消す
手続きをしておかなければならなかった…
ということになるわけですね。
そのような際は、簡易課税の適用を
受けたくない事業年度の前日までに、
簡易課税制度選択不適用届出書を税務署に
提出しておかなければいけません。
<国税庁HPより-消費税簡易課税制度選択
不適用届出手続>
消費税簡易課税制度選択不適用届出手続
■こういったことは、
上述したような課税売上高がチグハグに
なるようなケースだと、まだ意識しやすい
のですが、
ずっと基準期間における課税売上高が
5千万円超で原則課税になっており、
ふとした事業年度において、
この基準期間における課税売上高が
5千万円以下になった場合、
こういったケースにも、
『簡易課税制度選択不適用届出書を提出して
いない場合においては、簡易課税により
計算されてしまう』
ため、要注意であると言えます。
■どうしても、こういった届出関係は
時間が経ってしまうと届出書を提出して
いたかどうかということ自体を
忘れてしまいがちですので、
場合によっては5千万円を超えた段階で
ひとまず簡易課税制度選択不適用届出書を
提出しておくことは、一考に値するかも
しれませんね。
この原則か簡易かの選択については、
納税額を大きく変えることがありますので、
この消費税の判定について、そして届出
については要注意であると言えるでしょう。
■というわけで今日は、
納税額に大きな影響を及ぼしがちな、
『消費税の計算方法』の判定についての
お話をしてまいりました。
常に上述した基準期間における課税売上高と
原則・簡易の違い、
そして届出書の提出具合を的確に把握し、
決して損することのないような消費税の
申告と納税を心掛けたいものですね。
------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・消費税の計算方法については
原則課税と簡易課税があり、
簡易課税については、基準期間における
課税売上高が5千万円以下の場合のみ
適用されることになる。
また、その適用のためには税務署に
届出が必要となる。
・この簡易課税制度選択届出書の効力は、
簡易課税制度選択不適用届出書を
提出しない限りはずっと生きてくるため、
基準期間における課税売上高が
5千万円超か以下かにより、
この届出書の効力が及ぼす影響を常に
意識しておきたいものである。
・消費税の納税については、
原則か簡易かによって大きくその額が
変わってくることが想定されるため、
上述してきたようなことを念頭に置き、
的確な消費税の判定と申告・納付を
心掛けたいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。