2022年9月3日適切に検討したい【減価償却の考え方】
最近、なんだか腕が上がらない日が
続いています。
仕事の腕が上がらない…
というわけではなく(汗)、
いわゆる四十肩?みたいな感じなのか、
本当に腕が上がりにくいんです(笑)。
筋トレをしようとするにも
逆に痛めてしまいそうだし、
かといって、筋トレをしないと
筋肉を知らず知らずのうちに
筋肉の価値が減り、
筋肉を償却させてしまいそうだし…
というわけで、
今日は四十肩のお話から、
減価償却についての
お話を続けていきます(すみません・・)。
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■以前の記事の中で、
『金融機関の評価と税務署の調査の際に
見られる視点は相反するものである』
というようなお話をさせていただきました。
<2022.8.28【役員貸付金】に関する
銀行と税務署の視点>
https://muratax.com/2022/08/28/5561/
今日はそのことについて、
実務面から考えていきたいと思います。
■今日のテーマとして
挙げさせていただきたいのが、
『減価償却』について。
どうしても減価償却となると、
その用語を聞いただけで煙たがられる
という性質のものなのですが、
【これが会計をややこしくしている】
ということもあるわけです。
減価償却は、
【10万円以上の資産を購入した際に、
これを高価なものと考え、
この資産を購入時の経費とするのではなく、
その資産を使用していく期間に応じて、
均等に経費化していく】
というのがざっくりした内容なんですね。
(ざっくりしてないですかね(汗)…)
■そのように考えると、
この使用する期間を表す
【耐用年数】
が重要であると言えそうです。
ただ、一般的に言われる耐用年数は、
【国税庁が定めているもの】
なんですね。
<国税庁HP-耐用年数表>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
代表的なところでいけば、
【普通車は6年、パソコンは4年】
…といったところ。
ただ、車の使用頻度によって、
その会社の耐用年数、つまり、
【その車を使用する期間】
は様々であるわけですよね。
そのように考えると、
【一律に国税庁の定める耐用年数に従って
償却していくということが、
逆に会計を見る面では
マイナスに働いてしまう】
ということが考えられます。
実態を表していない
ということになりますからね。
■ここで、
金融機関と税務署の視点の論点
に戻るのですが、
『金融機関』は、
【粉飾を嫌う(利益が実際より
多く計上されていることを嫌う)】
ものであり、
『国税庁』は、
【脱税を嫌う(本来より税金が
少なくなっている状態を嫌う)】
という性質があります。
■ここは、
税務調査の視点で考えるのですが、
仮に、上述した
『普通自動車を6年ではなく、
10年間使用して乗り潰す』
という前提で考えてみましょう。
そうなると、
【経費化される各期の金額は、
6年から10年に耐用年数が
変更されたことにより少なくなる】
ということが分かります。
そのように考えると
【経費が少なくなる = 利益が増える】
ということですので、
【税務署としては問題ない】
ということですよね。
■一方金融機関はと言えば、
確かに利益が出る方向で
進んでしまうものの、
金融機関としては
【その企業の実態を知りたい】
というのが現状でしょうから、
【この企業のあるべき
耐用年数である10年を採用している】
ということについては、
決してマイナス評価には
ならないのではないか
というところ。
(解釈はいろいろだと思いますが。)
■そのように考えると、
あえて税務署の決めてきている
耐用年数にかかわらず、
【その企業に応じた
耐用年数を採用していく】
というのは、
【適切に自社の経営状況を
把握できるための手段である】
と言えるでしょう。
ただ、逆に耐用年数を
短くすることに関しては、
経費が多く計上されることに
なりますので、
税務調査の面ではマイナス面に
動いてしまいます。
少し変な話ではあるのですが、
そういったことを総合勘案して、
耐用年数の判断を
していきたいものです。
■ちなみに、
実際の税金の計算は、
【法人税の申告書】
で行っていきます。
この法人税の申告書では、
【会計上の利益を
プラスマイナスしていく形で
税金を計算する】
ため、
仮に多くの減価償却費が
計上されていたとしても、
その法人税の計算において
これを本来の減価償却費の額として
マイナスすることにより、
税金の面では適切に
申告をすることができるんですね。
そのように考えると、
会計で本来の姿を表すとともに、
【法人税の計算において
調整を加えて申告する】
というのもまた一つの方法。
税金を減らしたい、
融資を受けたい、
というのもさることながら、
適正に自社の経営の実態を
会計で把握したいものですよね。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・【金融機関の評価と税務調査の視点は
相反するものである】
と言える。
・会計を把握する上で厄介なのが
【減価償却費】
の存在。
・減価償却費については
【国税庁が定めている耐用年数】
が存在するものの、
【これはその会社の状況によって
変わってくるもの】
とも考えられる。
・本来の経営の姿を表すためには、
【適切な自社の耐用年数により
減価償却をし、
法人税の計算上で
税務上の正しい税金計算をしていく】
ということを考えるのも
良いかもしれない。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。