2022年11月6日【夫婦で事業をしている場合】の注意点Vol.2
■以前の記事でも
述べさせていただいた
ことではあるのですが、
夫婦で事業をしているという状況は
少なからずあるもの。
こちらの記事が第一弾となりますので、
ぜひご参考ください。
<2022.10.14【夫婦で事業をしている場合】
の注意点>
https://muratax.com/2022/10/14/5726/
そこで今日は、
夫婦で事業をしている場合に注意すべき
税務の点について、
お話を進めていきたいと思います。
今日は少し限定的なお話として、
あなたの配偶者の方が
正社員として勤務をしており、
あなた自身が法人の代表者であるもの
としてお話を進めていきます。
■夫婦でよくある状況として、
夫婦共々個人事業でお仕事をされている
ということがあるのですが、
これについては相当な注意が
必要です。
どんなことに注意が必要かと言えば、
【配偶者控除と専従者給与との関係】
なんですね。
<2022.7.15夫婦で仕事をする場合の
【個人と法人の有利判定】の仕方>
https://muratax.com/2022/07/15/5412/
基本的に、配偶者に対しては、
給料を支払うのか、
それとも、配偶者控除を受けるのか
という2択になってくる
ところ。
当然、給料でなく業務委託として
外注費の支払いをしても、
同じ状況になるということに。
■結局のところ、
個人事業主については、
個人を主軸として考えるわけですので、
配偶者という親族に対して、
給料や外注費の支払いが出る限りは、
配偶者控除を受けて、
税的なメリットをダブルで享受する
ことができないという
決まりになっているわけです。
■しかしながら、
法人ともなると、この常識が覆ります。
と言うのも、
法人は個人とは別人格の
【法のもとの人】
と考えますので、
端的に言えば、
【別の存在である】
という考えになるわけです。
そのような状況下で考えると、
上述してきた個人事業主間のルール
に関しては、
法人と個人の関係になるため、
いったんリセットされると考えて
差し支えありません。
■そのような状況で、
あなたが配偶者に対して
何かしらの仕事の成果を
対価として支払う際、
給料にするのか、外注費にするのか
という選択ができるわけです。
上述した前提でいけば、
配偶者の方は給与所得として
別のメインの会社から正社員としての
給料をもらっていますので、
通常の場合、
配偶者控除を受けるほどの
低い所得ではないはず。
■そのようなことから考えると、
給料や外注費を払いながら、
なおかつ配偶者控除を使うということは
現実問題考えにくそうです。
ただし、
正社員となっている状況であれば、
一般的に考えると、
そこそこの給料の額であるはずなので、
その給与所得に対して
所得税や住民税が
それなりにかかっているはず。
(そこそことか、それなりに、
という曖昧な表現で申し訳ない
ところなのですが、
正社員もその給料の額が
様々ですので、
あえてこのような書き方を
しています。)
■このような現状であれば、
給与所得で給与に対する税金が
かかっている状況下において、
さらにあなたの法人から配偶者の方に
給料を支払うとなると、
さらに給与所得が増えてしまうことに
なりますよね。
当然、給与所得についても、
給与についての経費(給与所得控除)
が使えるわけですが、
これはメインの会社の年末調整で
使い切ってしまっていることに
なっているはず。
そうすると、自然と、
あなたの法人からの給料が、
配偶者の方の給与所得にそのまま
乗っかってくる
ということになるわけです。
当然、給料が増えた分
給与所得控除も増えるのですが、
この給与所得の増加具合をまず
考える必要があります。
…ちょっとややこしく
なってきましたね(笑)。
■それでは、配偶者の方に、
給料ではなく、外注費として
支払いをした場合はどうでしょう。
外注費については、
【配偶者の方がその事業について、
外注費としてもらった金額を
売上として申告をする】
ということに。
当然、自ら確定申告を
するわけですので、
その外注費としての売上から、
経費を差し引き、
その売上から経費を差し引いた結果の
所得に対して、
所得税と住民税がかかってくる
ことになります。
そのような状況ですので、
配偶者の方に給料として支払うのか、
それとも、外注費として支払うのか、
ということを考える際、
このような税負担の増加額を試算して、
税負担が増えない方を
選択するというのも
一つの方法であると言えます。
■とは言え、
給料と外注費の線引きは
かなり難しい面があるため、
慎重に検討する必要がある
というものです。
詳しくは過去の記事にも
書いていますので、
ご参照いただければと思います。
<2021.4.12【外注か雇用か】は
実は紙一重!>
https://note.com/muratax/n/nd8a0f95939d0
■今日は、配偶者の方と一緒に
事業をしている場合について、
法人の場合、
なおかつ配偶者の方が、
正社員として給与所得を得ている
前提として、
限定的なお話ではありましたが、
記事を書かせていただきました。
いろいろと述べてはきましたが、
税務判断の要となってくるのは、
【綿密な試算】
にあると言えます。
どうしても記事になると
一般的な事例になりますので、
ぜひあなたも、
詳細な試算をして、
最も有利な方法により、
このような税務の選択を
していくことを
心がけてはいかがでしょうか。
■年末も近づいてきましたので、
ぜひ一度税理士にご相談ください。
弊所においては、
初回の相談料は完全無料、
2回目の相談からは60分を目安に
9,900円+税にて、
税務相談に乗らせて
いただいております。
場合によっては、12月末までに対策が
必要なこともありますので、
ぜひ(私でなくても良いので)、
専門家である税理士に
相談をされてくださいね(^^)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・夫婦で事業を営んでいる際、
個人であるか法人であるかによって、
その税務判断が異なるものと
心得ておくべし。
・夫婦で個人事業主同士であれば、
税的な制約がかなりあるものであるが、
個人と法人の関係であれば、
その制約が多少和らぐということを
押さえておきたいところ。
・税金の判断をする際、
一般的な意見を参考することも
当然重要であるものの、
状況は個々によって大きく異なるため、
場合によっては専門家である税理士
の知見を頼り、
綿密なシミュレーションをしてみる
ことを考えてみてはいかがだろうか。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。